ワックスでフォックスでマックス先生だ~
アラベスク模様って知っているかい?
アラビアの建築や工芸などにみられる唐草模様の装飾なんだけど、
今回はこのアラベスク模様のワックスリングの作り方を紹介しよう。
このアクセサリーを作ることで、
学ぶことができるスキルや考えるべき課題はというと、
- シンメトリーデザインをどう彫り出していくか
- 平面からの立体的デザインの作り方
- 繊細な透かし模様の入れ方
- 立体デザインに溶け込ませる石座の付け方
アラビアンだけでなく、日本の伝統的な唐草模様にも取り入れられているように、
シンメトリーデザインは人間が持っている共通する美意識なのである。
緻密な透かしを取り入れたシンメトリーデザインを彫れるようになれれば、
老若男女すべての感覚に適合したアクセサリーを作り出すことができるはずだ。
今日も元気に~3分彫金で~MAX!MAX!
透かしアラベスク模様のワックスリング
この真ん中の石座にオーバル型(楕円)の石を乗せるのだが、
実は石を留めるための爪がついていないのだ!
本来なら、スプルーワックスという棒状のワックスをくっつけて爪を作ったり、
ワックスを盛り付けて削り出して爪を作ったりと、
ワックスですべてを作り出していく。
実際はこんな感じになる。
今回は、スプルーワックスが在庫切れだったことと、爪を作り出すための時間が取れなかったので、
キャストした後に銀線をロウ付けすることにしたのだ。
しかしあなたには一度、1mmの繊細なワックス棒をくっ付ける作業に挑戦してみてほしい。
付けることができたとして、果たして爪としての原型をどこまでキープできているか楽しみなところだな、フフフフフ。
3分彫金動画
この映像には、ただのワックスの塊からアクセサリーデザインに仕上がっていくワックス原型制作の工程がおさめられています。
必要な材料と道具
- 糸ノコ&ワックス刃
- 折れた地金用のノコ刃
- 半丸ヤスリ(粗目)
- ワックスペン
- 耐水ペーパーヤスリ(#600、#1000)
- スプリングゲージ
- スパチュラ(平刀型)(針型)(耳かき型)
- 精密ヤスリ各種(長方形、正方形、ひし形、三角、半丸、鋭三角、丸など)
- スポンジヤスリ
- 刷毛(100均に売っているものでOK)
- スリ板&クランプ
- リューター
- ラウンド型のカッタービット(リューター用先端工具)
- ドリルビット(リューター用先端工具)
マックス先生の制作アドバイス
シンメトリーデザインをどう彫り出していくか
人間が作り出していくわけだから、
完全なシンメトリーデザインというのは不可能なのだ。
とは言っても、見た目はシンメトリーに見えなければいけない。
人が手にとってモノを見る位置は、大体10cmから20cmである。
この距離で見て、そのデザインがシンメトリーに見えるようになれば良いだろう。
まあ、それ以上の近さでもシンメトリーに見えるにこしたことはないけどね。
平面からの立体的デザインの作り方
平面から立体的なデザインにしていくやり方は、
盛り上がる部分の輪郭を彫り下げ、そこにワックスを盛る、全体をデザインとしてなじむように整える。
この繰り返し作業だ。
繊細な透かし模様の入れ方
細かな透かしを整えていく場合には、折れた地金用のノコ刃を使うと良いだろう。
手で持って、輪郭を削り出していくのだ。
透かしの内側部分の丸い傾斜をキレイに削るのが難しかったはず。
映像にも少し流れているはずだが、
針タイプのスパチュラの先端を、丸みに沿って押し当てながらこすると、削れていくのだ。
立体デザインに溶け込ませる石座の付け方
石座は石座として独立して彫ったものを、リングにくっつけてみた。
なぜに石座とリングを分けて作ったのかというと、
キレイで正確な石座が作りやすく、
石座のすぐ横の立体的なデザインも彫りやすくなるのだ。
そして、立体感を崩すことなく精巧な石座の付いたリングが作り出せるのだ。
しかし、この方法で注意したいことが2つ。
リングが折れやすいので注意が必要。
そして、石座を付ける際、リングサイズが変わらないようにすることだ。
今回は、あえて難しい手法を取り入れて作り出してみたが、
自身のスキルアップのレッスンだと思って、あえて挑戦してみてほしいな。