覆輪留めの発展形デザインとして、立体的に装飾を加えられた覆輪枠の構造を解説します。
ぶっちゃけ「正確な覆輪枠」と「覆輪の高さ合わせ」さえしっかりと押えていれば、基本的には普通の覆輪留めと何ら変わりはありません。
ただし、覆輪のデザインによっては留め方にちょっとしたコツが必要なものもあるので、その辺も含めて説明したいと思います。
装飾覆輪(タガネで普通に留めるタイプ)
製作上の注意としては、装飾覆輪の厚みがありすぎると倒しづらくなることです。
覆輪がかかるデザイン部分はなるべく倒しやすい厚みにしておくと良いでしょう。
1点もの・複製品共に最終的に覆輪の厚みが0.6mm程度に出来上がるように、原型は逆算した厚みで作っておくこと。
覆輪のかかる範囲が少ないと石が外れてしまう可能性があるので注意しよう。
左上図の赤丸部分に覆輪装飾がかかるようにします。 (赤丸部分は爪の立つ位置関係でもあります。)
赤丸部分に覆輪装飾がくるよう十分な高さが必要です。高さと位置が足りないと石が留まりません。
2つの見本画像の装飾覆輪リングはデザインは違えど、留め方はいつも通りにタガネを使って「手押し」または「おたふく槌で叩いて」留めていきます。
装飾覆輪(留め方にコツがいるタイプ)
上図の2つのアクセサリーのように、装飾覆輪の一部分が大きく伏せてあるデザインのものには、石を留める時にコツがあります。
大きく伏せてある装飾覆輪部分は、すでに石の形状に合わせて伏せ込んでポケットのような状態にしておく。
そして、その向かい側あたりの覆輪部分は開いておきます。
石をポケットに入れ込みます。
覆輪枠に沿って石が水平になるようにおさめます。
開いていた覆輪部分を伏せて留めます。