女性用・男性用・男女兼用と指輪のサイズはいろいろ。
あなたがどんな人たち向けの指輪を作るかで、用意する指輪のサイズも変わってきます。
老若男女さまざまな人たちの指に合うように指輪のサイズを用意することを「号数展開する」と言います。
号数展開の流れ
専門の業者さんに任せる作業号数展開は、型を作ることで可能となります。
例えば、10号のシルバリングでゴム型を作るとします。
8号/1個と12号/1個の号数展開をしたい場合には、その作ったゴム型を使ってワックス原型を2個作ります。
出来上がってきたワックス原型は、約10号(多少縮みます)になります。
1つのワックス原型はカットしてつなげて、8号に サイズダウン します。
もう一つのワックス原型はカットした箇所にワックスを継ぎ足して、12号に サイズアップ します。
これで10号のワックス原型から、8号と12号のワックス原型を作り出すことが出来ました。
そして、それぞれのワックス原型をシルバーにキャストして、8号と12号のシルバーリングにします。
これが号数展開の流れです。
この一連の号数展開の作業は、ゴム型を作ってもらった業者さんにお任せします。
号数展開を考えたとき、指輪の原型は何号で作るべきか?
号数展開を考えた指輪を作る場合、一体どれくらいのサイズに原型を作って型取りすればいいのか?
ゴム型用の原型のサイズの目安としては、
ゴム型用の原型のサイズ
- 女性用 10号
- 男性用 16号
用意しておきたいサイズ範囲は?
すべてのサイズを揃えておくとなると、1つのデザインだけでも多くの在庫を抱えなければいけません。
そこで通常はよく出るサイズだけを在庫として持っておき、それ以外は受注生産という形をとります。
極力在庫を抱えたくない場合は、偶数号または奇数号だけ用意すると良いでしょう。
在庫として用意しておきたいサイズの範囲は、次のサイズあたりです。
女性用
#7、#8、#9、#10、#11、#12、#13、#14、#15
男性用
#13、#14、#15、#16、#17、#18、#19、#20、#21
資金に余裕が出てきたら、すべての号数をストックしておきます。
0.5号単位でもOK
基本は1号刻みで用意しておきますが、お客様からの要望があれば、0.5号単位(10.5号、16.5号など)で業者に作ってもらうこともできます。
【シルバーリング限定】1商品1~2在庫にもかかわらず、手元に無いすべての号数の注文にも即座に対応できる方法
例えばネットショップを運営していて、10号のシルバーリングを在庫として持っているとします。
10号以外の注文が入れば、手元にないサイズなのだから業者にその注文の号数の指輪をキャストしてもらうよう頼みます。
納期は当然かかってしまいますよね。
しかし、キャストを頼まずに、手元にある在庫で対応する秘策があるのです。
その方法とはズバリ!在庫のリングをサイズ直しすることです。
サイズ直しのロウ付けスキルを習得していれば、この方法が利用できますよ。
男女兼用リングを販売する場合は女性用と男性用とサイズの差があるので、在庫を2つ持っていると良いです。
ただし、石が留めてあるリングは基本、ロウ付けできないのでこの方法は適用しません。
なので石留めリングの場合は、石留めしていない状態で保管し、注文が入ってからサイズ調整&石留めして納品します。
号数展開用の指輪原型を作る上で注意すべきこと
デザインが歪むことを考えておく
石座のあるデザインや凹凸感のあるデザインの場合、 極端なサイズアップやサイズダウンをすると、宝石がうまくはまらなかったり、デザインが少し歪んだりします。
例えば、スカルリングなどの造形デザインの場合、同じ顔デザインのものでも極端なサイズダウンやアップにより、それぞれ見た目の印象が変わってしまいます。
原型と比較してデザインや機能性に問題のない歪みの許容範囲がどのサイズまでなのか、確認しておく必要があります。
サイズ調節できる部分を確保する
全周にデザインがある指輪の型取りは、基本外注先は引き受けてくれないと思ってください。
なぜなら、サイズ調整で繋ぎ目のデザインが崩れてしまうような指輪は、クレームの原因になるからです。
(繋ぎ目のデザインが崩れても構わないと言えば、引き受けてくれる外注先があるかもしれませんが。)
なので、サイズ展開したいものはリングの底部分を、
「サイズダウンしたい号数分+α」の長さ分、デザインのないプレーンなリング表面にしておきます。
長さは号数1号に対して=1mmで計算します。
例えば、5号分サイズダウンできるリングを作りたいならば、5mm+αのプレーンな表面部分を用意しておくのだ。
型取り用の指輪原型に刻印(ブランド刻印など)を入れる場合、サイズ調節する部分に刻印を入れないように注意しよう!